以前にもおすすめとして紹介した「秒読みの殺人」が13位に入った。
犯人は、テレビ業界のキャリアウーマン。愛人関係にあった上司が栄転になり、その後任に指名されないことを知ると、上司を計画的に撃ち殺してしまう。
コロンボのトリックに落ちる最後は、「権力の墓穴」に似ていなくもないが、ミステリー的にはまあまあのエピソード。
トリッシュ・ヴァン・ディヴァー演じる犯人の人物描写がこの作品の見所。
犯人はバリバリの上昇志向の強い女性。だが、決して野心だけのタイプではない。精神不安定のタレントを慰めるシーンでは思いやりを見せ、むやみに爆発したりはしない。
幼年時代を過ごした家でコロンボと向き合うシーンでは、寂しい内面を見せたりもする。
エレベーターの中で、荷物に乗り拳銃を取ろうとするシーンは示唆的。必死にキャリアアップ目指す犯人の葛藤をあらわすようだ。
一方、ミステリーの犯人としてはやや疑問な行動が多い。そもそも上司を殺害しても、自分が後任になれるかどうかは確かではないだろう。
凶器の銃をエレベーターの中に置いたままにしているのも不可解。
仕事の有能さと犯罪の粗さが対比されて、コロンボに追い込まれる様子は切ない。
全編にわたり、犯人役のトリッシュ・ヴァン・ディヴァーの表情に漂う緊迫感は見る価値あり。人間ドラマとしては、「忘れられたスター」よりもこの作品をすすめたい。
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1 殺人処方箋
2 死者の身代金
3 構想の死角
4 指輪の爪あと
5 ホリスター将軍のコレクション
6 二枚のドガの絵
7 もうひとつの鍵
8 死の方程式
9 パイルD-3の壁
10 黒のエチュード
11 悪の温室
12 アリバイのダイヤル
13 ロンドンの傘
14 偶像のレクイエム
15 溶ける糸
16 断たれた音
17 二つの顔
18 毒のある花
19 別れのワイン
20 野望の果て
21 意識の下の映像
22 第三の終章
23 愛情の計算
24 白鳥の歌
25 権力の墓穴
26 自縛の紐
27 逆転の構図
28 祝砲の挽歌
29 歌声の消えた海
30 ビデオテープの証言
31 5時30分の目撃者
32 忘れられたスター
33 ハッサン・サラーの反逆
34 仮面の男
35 闘牛士の栄光
36 魔術師の幻想
37 さらば提督
38 ルーサン警部の犯罪
39 黄金のバックル
40 殺しの序曲
41 死者のメッセージ
42 美食の報酬
43 秒読みの殺人
44 攻撃命令
45 策謀の結末
2 死者の身代金
3 構想の死角
4 指輪の爪あと
5 ホリスター将軍のコレクション
6 二枚のドガの絵
7 もうひとつの鍵
8 死の方程式
9 パイルD-3の壁
10 黒のエチュード
11 悪の温室
12 アリバイのダイヤル
13 ロンドンの傘
14 偶像のレクイエム
15 溶ける糸
16 断たれた音
17 二つの顔
18 毒のある花
19 別れのワイン
20 野望の果て
21 意識の下の映像
22 第三の終章
23 愛情の計算
24 白鳥の歌
25 権力の墓穴
26 自縛の紐
27 逆転の構図
28 祝砲の挽歌
29 歌声の消えた海
30 ビデオテープの証言
31 5時30分の目撃者
32 忘れられたスター
33 ハッサン・サラーの反逆
34 仮面の男
35 闘牛士の栄光
36 魔術師の幻想
37 さらば提督
38 ルーサン警部の犯罪
39 黄金のバックル
40 殺しの序曲
41 死者のメッセージ
42 美食の報酬
43 秒読みの殺人
44 攻撃命令
45 策謀の結末