刑事コロンボの普通でないランキングからおすすめの3本。

11月からNHKBSで刑事コロンボシリーズが放送予定で、このところ番宣が激しい。全国3000万人のコロンボファンはワクワクドキドキで血圧も高めになっていると思うので、季節の変わり目のこの時期、中高年は体調には注意したほうがよいだろう。

とはいっても、コアなファンは、すでにDVD-BOXやブルーレイBOXなどを購入済みであると思うので、ときめくようなことはないのかもしれない。

振り返れば、第1作の「殺人処方箋」がつくられてから50年の月日が経った。NHKや民放で何度も放映され、回転寿司状態になっていてもおかしくないのに、いまだに再放送が注目されるドラマは他にあるだろうか。大げさに言えば、世紀の名作ドラマといっていいかもしれない。

これだけの長い期間にわたると、世代をこえて楽しむ人もでてきているだろう。すでにネット上には、種々の人気ランキングなどが発表になっていて、「別れのワイン」、「二枚のドガの絵」、「忘れられたスター」などの傑作、名作が上位常連となっているようだ。

そこでここでは、人気投票では最上位には入らないが、なかなか見応えのある作品を3本紹介したい。

 

最初から最後まで緩みのない展開。ストーリーも凝ったところがなく、ビール片手にゆったりとした気分で楽しむにはよい作品。コロンボがゆっくりと包囲網を狭めて犯人を追い込む。最後の数分は圧倒的なクライマックスだ。

この作品には、まあまま程度の評価が多いが、ストーリーがよくできていると思う。コテコテのミステリーファンでなくとも、楽しめる。初めてコロンボを見ようとする人にはおすすめ。

第三の終章

刑事コロンボはミステリーに分類されるドラマ。やはり頭を使いながら楽しみたいという人向け。ところどころに伏線が張られているので、注意しながら見ると良い。

コロンボの追い込み方がすごい。犯人はなりふり構わずに逃げようとするが、詰め将棋で頭金を打つようにのように、有無を言わせず身動きできない状態にしてしまう。

コロンボシリーズは、犯人が初めからわかっているので、このような謎解きっぽいストーリーのものは少ない。ファンになるほどこんな話が好みなんだろうけど。

旧シリーズ最終盤の作品。最初に見たときは、それほどよいとは思わなかった。コロンボシリーズというよりも、人間ドラマとしてみると、なかなかよい作品だと思える。
主人公はコロンボではなく、犯人の女性実業家。厳しいテレビ業界に生きるキャリアウーマンの野心と悲哀、そして挫折を見事に描いている。
コロンボシリーズの犯人たちは、実力ある名優たちが多い。この作品ではトリッシュ・ヴァン・ディヴァーの熱演が素晴らしい。