以前、コロンボファンの友人と会ったときに、一番の駄作は何かという話になった。ふたりとも「黄金のバックル」と言い、あまりにもつまらなくて内容を覚えていないで一致した。
改めて見ると、出来はよくないが、そんなにひどくもないのではと思える。
犯人は、上流階級の一族が経営する美術館の女性館長。経営を巡って対立する弟を、警備員をそそのかして殺害する。灯りの件、腕時計の件などから、コロンボは犯人を追い詰める。最後は心理的に自白に追い込む。
犯人の計画は穴だらけなので、コロンボがいつものように追い込んでいく手法には目新しさはない。謎を残したまま終わるのがこのエピソードの特徴。姪は誰の娘なのか、犯人は元婚約者の姉の夫を殺したのか。とくに愛する姪を犯人にしようとしたのはなぜかという疑問は残る。人間関係の重きを置く横溝正史作品のような終わり方をするのかと思ったが、うやむやになってしまった。
家族関係の描き方が不十分で、こういった尻切れトンボのような終わり方になったのかと思う。全体的に雑なつくりだが、逆にそこにあれこれ考えを巡らす楽しみを残してしまった作品。
犯人の姉が失神したり、ドレスを破かれるシーンは、クルーゾー警部を思い出させる。ここまでコミカルな演出は、コロンボシリーズでは珍しい。
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1 殺人処方箋
2 死者の身代金
3 構想の死角
4 指輪の爪あと
5 ホリスター将軍のコレクション
6 二枚のドガの絵
7 もうひとつの鍵
8 死の方程式
9 パイルD-3の壁
10 黒のエチュード
11 悪の温室
12 アリバイのダイヤル
13 ロンドンの傘
14 偶像のレクイエム
15 溶ける糸
16 断たれた音
17 二つの顔
18 毒のある花
19 別れのワイン
20 野望の果て
21 意識の下の映像
22 第三の終章
23 愛情の計算
24 白鳥の歌
25 権力の墓穴
26 自縛の紐
27 逆転の構図
28 祝砲の挽歌
29 歌声の消えた海
30 ビデオテープの証言
31 5時30分の目撃者
32 忘れられたスター
33 ハッサン・サラーの反逆
34 仮面の男
35 闘牛士の栄光
36 魔術師の幻想
37 さらば提督
38 ルーサン警部の犯罪
39 黄金のバックル
40 殺しの序曲
41 死者のメッセージ
42 美食の報酬
43 秒読みの殺人
44 攻撃命令
45 策謀の結末
2 死者の身代金
3 構想の死角
4 指輪の爪あと
5 ホリスター将軍のコレクション
6 二枚のドガの絵
7 もうひとつの鍵
8 死の方程式
9 パイルD-3の壁
10 黒のエチュード
11 悪の温室
12 アリバイのダイヤル
13 ロンドンの傘
14 偶像のレクイエム
15 溶ける糸
16 断たれた音
17 二つの顔
18 毒のある花
19 別れのワイン
20 野望の果て
21 意識の下の映像
22 第三の終章
23 愛情の計算
24 白鳥の歌
25 権力の墓穴
26 自縛の紐
27 逆転の構図
28 祝砲の挽歌
29 歌声の消えた海
30 ビデオテープの証言
31 5時30分の目撃者
32 忘れられたスター
33 ハッサン・サラーの反逆
34 仮面の男
35 闘牛士の栄光
36 魔術師の幻想
37 さらば提督
38 ルーサン警部の犯罪
39 黄金のバックル
40 殺しの序曲
41 死者のメッセージ
42 美食の報酬
43 秒読みの殺人
44 攻撃命令
45 策謀の結末