霧島三郎シリーズの第1作。
霧島三郎の婚約者恭子の父竜田慎作弁護士が失踪した。まもなく、愛人や同僚の女も連続して殺され、殺人犯ではとの疑いが出る。捜査を進めると、竜田弁護士と麻薬密売網とのつながりもわかり、海外逃亡も疑われるような展開になってくる。
婚約者の父が絡む事件ということで、検察官として微妙な立場に追い込まれる霧島三郎。ちょっとまずい状況。恭子のまわりの胡散臭い人物がなにかと接触してきて、誰もが怪しそうで推理を混乱させてくれる。更に、謎の中国人や大物政治家、暴力団幹部などとの悪の交流が明らかになり、引き込まれる流れになってくる。
中国人に手引きさせて貨物船をつかった密出航など、ちょっと荒唐無稽なところもあるが、ストーリー展開がうまいと思う。当然、謎解きは一気に化けの皮がはがれ、あっさりとしたクライマックスになるのだが。
霧島三郎初登場で力が入っている作品と思う。著者の作風はそのままで、読みやすさは変わらない。

