刑事コロンボ「構想の死角」感想。ベスト20で8位

3作目のエピソード。この作品からシリーズ化が始まった。監督は、あのスティーヴン・スピルバーグ。

コンビを組むベストセラー作家の一方が犯人。作品は共著であることになっているが、実は自身はマネージャー役で一行も書いていない。相棒作家からコンビ解消を言い渡され、計画的に殺害する。つづいて犯行の一部をしられ恐喝された雑貨屋の女主人も殺してしまう。

コロンボは細かい点を見逃さない。ちくちくと追い詰める

最後は、ちょっと弱い。トリック自体が重要なことがわかるが、もう少しはっきりとした決め手が欲しかった。

やはりこの作品は、スピルバーグによる優れた演出、映像がみどころ。

高層階のガラス張りの仕事部屋の安定感のなさ。
特徴のない第1の被害者と強烈な個性の第2の被害者の対比。
犯人と第2の被害者の真っ赤な対決。
薄暗いライトによる不気味な雰囲気。
アップの多用による迫力あるカット。
手前に横顔を入れる二人の時の構図づくりなど。

心理的な恐怖感を与え、ぞくぞくするような雰囲気を感じさせてくれる。
とくに雑貨屋の女主人に、ただの殺され役以上の存在感を持たせたところがよいと思う。犯人と女主人のやりとりは、ヒッチコックのミステリーを見ているようだ。