本 西村京太郎著「発信人は死者」の感想。 西村京太郎によるミステリー。1977年刊行。報道カメラマンの野口がたまたま無線による救難信号を受信する。それは太平洋戦争中に沈没した潜水艦からのものであった。野口は仲間とともにその潜水艦について調べ始めると、当時の関係者が事故死してしまう。... 2025.07.14 本
本 西村京太郎著「D機関情報」の感想。 西村京太郎によるスパイ小説。著者の自著ランキングでは1位に挙げている。敗戦濃厚な状況の太平洋戦争末期、海軍中佐の関谷は水銀調達の密命を受けヨーロッパに赴く。その代金である金塊が潜水艦によりドイツに到着すると、それをトランクにつめ車でスイスに... 2025.07.12 本
本 垂秀夫著「日中外交秘録」の感想。 著者は前中国大使で「中国が最も恐れる男」と言われた外交官。仕事の出来る人の手記だ。外交官人生40年の回顧録であり、その間の日中外交の記録でもある。チャイナスクールの一員としてスタートし、中国大使として退官するまでの対中外交が詳細に記述されて... 2025.07.09 本
外国語 ドメニコ・ラガナ著「日本語とわたし」の感想。 昭和50年発行の古い本。著者はイタリア生まれのアルゼンチン人。日本語の研究者というわけではないが、独学で身につけた日本語を使って日本語で文筆活動を行っていた。とにかく本書を読んだだけで驚いてしまう。これは翻訳本ではなく、著者自身によって書か... 2025.07.06 外国語本
本 佐藤大介著「韓国・国家情報院」の感想。 韓国の情報機関である国家情報院の歴史と活動についての本。かつては「泣く子も黙るKCIA」と言われるほど、絶大な権力を誇っていた国家情報院。朝鮮半島の分断が冷戦時代の対立の最前線であったことから、北朝鮮に対する諜報活動はもちろん、国内統制にも... 2025.07.03 本
本 道尾秀介著「雷神」の感想。(ネタバレ) かなりトリッキーなミステリー。謎解きだけにたよるのではなく、全体の構成を挑戦的なフォーマットでつくってしまった作品。一言で言えば、風が吹けば桶屋が儲かる的な因果律を使って物語を作っている。まったく関係のない出来事が、回り回って他の出来事に大... 2025.06.29 本
本 ミシェル・エルベール&ウジェーヌ・ヴィル著「禁じられた館」の感想。 1930年代のフランスのクラシックミステリー。富豪の館で主人が自室で殺害された。それまでには何度も館から出て行くようにとの脅迫文を受け取っていた。周りには使用人が多数いて、それぞれにアリバイがある。互いの潔白を証明するような証言が集められる... 2025.06.28 本
本 朝日新聞国際報道部著「縮む韓国 苦悩のゆくえ」の感想。 数々の問題をかかえる韓国の現況をまとめた本。出生率低下、高齢化、地方消滅、移民、一極集中と、日本ともかぶるような問題に苦しむ韓国。分析すればどれもがそれなりの原因が見えてくる。しかし背景には、すでに先進国並みの生活水準を達成したという経済成... 2025.06.25 本
本 ジョン・ル・カレ著「スマイリーと仲間たち」の感想。 ジョン・ル・カレのスマイリー三部作の三作目になる。パリの場末のバス停で始まる冒頭。ただのおばさんに見えた老女が亡命者で、東側から厳しく監視されている人物であることがわかってくる。家族への危害をちらつかせる東側のスパイ。彼女が将軍という名を持... 2025.06.21 本
本 斎藤充功著「消された外交官 宮川舩夫」の感想。 帝政末期から太平洋戦争の終戦まで、対ソ外交で活躍した宮川舩夫に関する評伝。ロシア専門の外交官といえば、近年ではお馴染みの佐藤優氏が思い浮かぶが、それよりも半世紀以上も前に、ソ連を相手に奔走していたのが宮川舩夫である。ノンキャリアとして外務省... 2025.06.14 本