刑事コロンボ「死者の身代金」の感想。パイロット版の第2弾。

「殺人処方箋」に続いて製作されたパイロット版の第2弾。

女性弁護士が夫を射殺する場面で始まる。犯人は、夫が誘拐され身代金を要求されたという狂言を仕組む。自らセスナ機を操縦し身代金の受け渡しに向かい、巧みに自分のものにしてしまう。コロンボは彼女の対応に不審を抱き捜査を進める。

パイロット版では、後の作品に比べても、犯人の知能犯ぶりが際立つ設定になっている。ストーリーは、コロンボがいかにして隙のない犯罪計画を切り崩すにかという一点にのみに焦点があたっている。

他のエピソードでは、犯人側の事情もそれなりに描かれるし、追いつめられてうろたえる犯人もいる。しかし、前作の精神科医同様に、リー・グラント演じる女性弁護士は、最後まで全く動じない。クライマックスは、「殺人処方箋」と同じように知能犯が策におぼれて墓穴を掘るというパターン。

犯人が難攻不落の鉄仮面という設定は、その後はあまりみられなくなった。ゴリゴリのアリバイ崩しだけよりも、多少の人間ドラマをまじえた構成に移っていった。その方が犯人役の演技にも深みがでる。「別れのワイン」や「忘れられたスター」のような作品もそういう流れの中で生まれてきたのだと思う。

最後にコロンボがグレープジュースを注文するシーンがある。原語では、このセリフはルートビアになっている。ルートビアはチリに合いそうだ。