C.S.フォレスター著「終わりなき負債」の感想。

1920年代のイギリスミステリー。

物語は、ミステリーと言うよりもサスペンス。凝った展開やトリックではなく、心理描写で盛り上げるという手法で、夫婦の心情の吐露が中心になっている。夫の金目当てに横槍を入れる婦人もいるが、想像できる範囲の役回りで、展開に大きな波乱を与えない。ストーリーが簡潔すぎるのが難だが、それでも心理劇が面白い。お金に翻弄されるのは、いつの時代も同じかな。

同時期のクリスティーが「アクロイド殺し」を発表している。比較すると、本作品の方が古いという感じを受ける。殺人の場面や、息子の事故死の場面を描かないので、刺激が少ないせいかもしれない。