刑事コロンボ「祝砲の挽歌」感想。ベスト20で6位

このエピソードは「別れのワイン」同様に、大変雰囲気のよい作品で、そこが人気の秘密になっているようだ。

ほぼすべてが幼年学校の内部でのロケで、閉じた空間での軍隊式の張りつめた空気が全体的に気品のある感じをもたせている。犯人役のパトリック・マクグーハンの終始威厳ある演技も印象的だ。

犯人は陸軍幼年学校の校長。男女共学の短期大学に作りかえようとする理事長を、大砲のの事故死に見せかけて殺害する。

コロンボは矛盾点を見つけるが、今回は犯人との丁々発止の対決は見られない。

最後は、同じくパトリック・マクグーハンが出演した「仮面の男」のような結末。

コロンボシリーズは、お金持ちの豪華な生活を描くことが多いが、それとはちょっと違った雰囲気を味わえる。軍隊式の生活が同時並行的に進行し、ゆるみなく最後まで楽しめる作品。