刑事コロンボ「歌声の消えた海」感想。ベスト20で9位

メキシコへ向かう豪華客船での事件。旅行中のコロンボは捜査にのりだす。

犯人は中古車ディーラー。浮気相手の歌手から恐喝され、計画的に殺害する。

コロンボは早々に犯人の目星をつけ、辻褄の合わない点から証拠を見つけ出そうとする。

犯罪のトリックとしては、わりと杜撰で穴だらけ。だいたい犯行道具の手袋を忘れてきたということからして、犯人としては前代未聞の失態。

最後は犯人を罠に陥れるよく出てくるパターン。だが、決め手が少し雑。もうひとひねり欲しいところ。

ミステリーとしてはあまり評価できない作品。しかし豪華客船という華やかな舞台、矛盾点を次々に見つけるコロンボの手際のよさが相まって、流れのよいドラマに仕上がっている。見ていて楽しいエピソード。

コロンボはかみさんと一緒に旅行中という設定だが、案の定、コロンボ夫人は最後まで姿を見せない。