刑事コロンボ「殺しの序曲」感想。ベスト20で11位

初回放送のときにNHKが盛んに番宣を打ったので、記憶に残っている作品。まれに見る知能犯という設定と、思わせぶりのセリフに、どんな犯人が登場するのかと楽しみにしていた記憶がある。

知能指数が高いメンバーが集まるシグマ協会が舞台。犯人は会計士で、業務上の横領を知られた友人を殺害する。

殺人のトリックは凝っているが、それ以外は子供っぽい犯人。かんしゃくを爆発させたり、夫婦関係がうまくいってなかったり。拳銃の隠し方もお粗末。

最後は、自白というか、うまくコロンボに乗せられて罪を認めてしまう。これも子供っぽい。

知能優秀だが内面は未成熟という犯人像を描き、プロ意識ありありのコロンボを際立たせるという点はうまくいったと思う。
一方、ミステリー的には消化不良気味。肝心の殺人事件の謎解きからではなく、横領の件で早々とコロンボに目星をつけられてしまう展開は物足りない。

犯人とコロンボの頭脳対決から、自信過剰の犯人の自滅といった普通の展開の方がよかったと思う。