刑事コロンボ「毒のある花」感想。ベスト20でランク外。駄作だがまあよいと思う。

第3シーズンの作品で、それほど話題にのぼらない地味なエピソード。それでも、このシリーズの手順はきっちりと踏んでいる。

犯人は化粧会社の女性社長。業績低迷のため、画期的新製品の投入で復活を目論む。開発した新製品を盗みライバル会社に売り込もうとした元恋人の研究員を、話がもつれて殺害してしまう。続いて、事情を知る自分のスパイであるライバル会社の秘書も殺す。

大きな波乱もなく淡々とストーリーが進行する。犯人からの反撃もないし、最後まで何も起きない。いつものように細かい点こだわり、しつこいコロンボ。コロンボはコロンボらしく、セレブの犯人は犯人らしい。

ラストで、かぶれの原因が新製品から割れたスライドガラスへという転換があるが、ここからもう少しはっきりした落ちにもっていけばよかった。犯人が、覚悟を決めて新製品のサンプルを投げ捨てるが、ピンとこないシーンになってしまっている。

ほとんど無防備のまま追い詰められる犯人役のヴェラ・マイルズの演技はなかなかよい。

駄作と言われている作品だが、それでもこのクオリティがあるのは、さすがにコロンボシリーズ。