刑事コロンボ「アリバイのダイヤル」の感想。意表を突くコロンボの謎解き。

シンプルな構成とわかりやすいクライマックス。お気に入りのエピソードのひとつ。コロンボシリーズの舞台はロサンゼルス。カリフォルニアの青い空とフットボールは西海岸の雰囲気にぴったりだ。

犯人はフットボールチームの雇われ重役。実権を自分のものにしようと創業2代目の放蕩オーナーを殺害する。完璧なアリバイをつくったと思ったが、コロンボが綻びを見つける。

小さな矛盾から徐々に真相に迫るコロンボとそれに苛立ちを見せるようになる犯人。シンプルな知恵比べの頭脳戦だ。電話の盗聴を逆手にとってアリバイづくりに利用した犯人に、裏面から矛盾を突きつけるクライマックスは、シリーズの中でも鮮やかなエピソードのひとつ。

ロバート・カルプは3度犯人役で登場する。「指輪の爪あと」、「意識の下の映像」、そしてこの「アリバイのダイヤル」。何れもエネルギッシュで冷徹な頭脳犯を演じている。とにかく悪い犯人が巧妙なアリバイをつくって殺人を犯す。それをコロンボが、意表を突く方法でアリバイを崩す。シンプルな謎解きものとしはおすすめの3本だ。