刑事コロンボ「黒のエチュード」の感想。もう少しつくりこんで欲しかった。

第2シーズンの最初のエピソード。もうコロンボシリーズの骨格は固まっている。96分と75分のふたつのバージョンがある。

オーケストラ指揮者の犯人は、愛人関係にあったピアニストを殺害する。楽屋を抜け出して犯行に及び、自殺を装った偽装工作をする。コロンボは、徐々にアリバイを崩し、決定的な証拠を見つける。

トリックがわかりやす過ぎる。推理ものとしてはあまり面白い展開とは言えない。無駄なシーンが多く、96分版は少し冗長な感じを受ける。コロンボのネチネチ追い込むところはいいと思うが。

妻の母に資金援助を受けていて、妻との関係も良好ではなさそうという設定。これがうまく使われていない。ところどころに妻との微妙な空気感が垣間見えるのはわかるのだが。最後の妻へのささやきも、とってつけたような印象を受ける。もう少しつくりこめば、「殺人処方箋」のような作品になったと思えるので残念。

コロンボの年俸が明らかになる。時代を感じさせる数字だ。