映画「眠狂四郎勝負」(1964)の感想。市川雷蔵はやはり格好いい。

市川雷蔵主演の眠狂四郎シリーズ第2作。

狂四郎は、偶然加藤嘉演じる老勘定奉行と知り合う。奉行は正義感が強いため、私腹を肥やす幕府高官や豪商、将軍息女などの恨みを買い、命を狙われている。狂四郎は護衛役となるが、自身の命も狙われるようになる。

市川雷蔵はやはり格好いい。剣を持たせたときの、きりりとした雰囲気はさすが。それから、藤村志保、高田美和、久保菜穂子の三人の女性が演じる役柄に接するとき、愛情、非情、優しさ、素直さ、笑顔など、場面ごとにみせる顔が人物像に深みを与えている。

加藤嘉とのやりとりも、内面の思考を照らすような会話で構成されている。悪役の手口も、必要以上に嫌悪感を催すようなずる賢いものでなく、適度の存在感。

出演者の役割がちょうどよい具合に配置されていて、非情にうまい構成だと思う。市川雷蔵の良さを最大限に引き出した作品。