刑事コロンボ「パイルD-3の壁」感想。ベスト20で5位

監督はピーター・フォーク。そのせいかコロンボのカットが多い。いつも以上に主役を演じるピーター・フォーク。ヨレヨレコートと葉巻のポーズをとるコロンボの一人舞台といった感じ。

犯人は著名な建築家。トラブルから出資者の実業家を殺害する。出資の継続のため、被害者の妻が自由に遺産が使えるように遺体を隠す。

一番の見どころは、犯人とコロンボの心理戦。お互いに相手の裏をかこうとするやりとり。そこがしっかりしているのがこのエピソードのよさで、最後の対決でコロンボが勝つあざやかさが人気の秘密だろう。

ただ、ストーリー的には、芯はしっかりしているが、細部はイマイチという感じがする。
犯人が死体を隠すのが目的なら、パイルに戻る必要はないだろう。似たようなクライマックスの「指輪の爪あと」や「白鳥の歌」ほどの必然性はない。

それに不要なシーンも。血のついたカウボーイハットと犯人の車がパンクする場面は、とくに入れる必要はないんじゃないかな。