新・刑事コロンボ「華麗なる罠」の感想。「策謀の結末」、「カリブ海殺人事件」。

ノベライズ版の「謀殺のカルテ」として出たときに読んだことがある。その後、改題されて「カリブ海殺人事件」となり、新シリーズで「華麗なる罠」として映像化された。

単行本で読んだときは、なかなか面白かったように記憶している。コロンボがジャマイカまで足を運んで、事件解決の手がかりをつかんでくるストーリーなので、さすがに現地ロケが難しかったのかなと思ったものだ。夏のジャマイカでチョコレートを詰め込んだヨレヨレのコートのコロンボのイメージが頭に残っている。

残念ながら、「華麗なる罠」ではジャマイカのシーンはなくなっている。最初の被害者はただの心臓発作で片付けられ、殺人事件として扱われていない。壊れた自動販売機は、チョコレートからコーヒーに変わっている。それ以外の展開はほぼ同じだが、クライマックスはちょっと味つけされていて少し強引。シャツの青いシミもわざとらしい。