アイザック・アシモフ著「黒後家蜘蛛の会4」の感想。

黒後家蜘蛛の会の第4集。第3集で少しマンネリ化したかなと思ったが、今集で巻き返して、かなりの良作が目白押し。設定にも工夫があり、前半のメンバーたちの会話の部分にも、新しい試みが見られる。

よかったエピソードは、

バーにいた女
運転手
証明できますか?
赤毛
帰ってみれば

アシモフは冷戦期に活躍した作家であるが、米ソのスパイ戦を題材にするのは気が進まないらしい。そうはいっても、今回収録されているスパイものはなかなかよかった。

一番よかったのは「赤毛」。こういったシンプルなエピソードは、単純な手品を見ているようで好きだ。「バーにいた女」も、サスペンス感とハードボイルド風味が同時に楽しめるよい作品。