映画「クリスタル殺人事件」(1980)の感想。元気なミス・マープルとハリウッドの大スターたち。

原作は、アガサ・クリスティーの「鏡は横にひび割れて」。探偵役はミス・マープル。

イギリスの片田舎で映画撮影が行われることになり、有名俳優たちと関係者が集まっていた。その最中に、元従軍看護婦の女性が毒殺されてしまう。彼女は。死の前に大女優と言葉を交わしていた。その後、映画監督の助手の女性も殺される。事件を担当したのは、ミスマープルの甥である警部。そしてミスマープルが鮮やかな謎解きで真相を明かす。

イギリスの片田舎ののどかさとハリウッドの大スターたちの華やかさ。それにコメディチックなところもある脚本でソフトな展開。謎解きも、マープルが最後に一気に解説するだけで、犯人当てを楽しむ純粋ミステリーとはすこし違った趣きがある。豪華出演陣の人間ドラマが基本になっている作品。

往年のハリウッドの名優たちが出演。エリザベス・テイラー、キム・ノヴァク、ロック・ハドソン、トニー・カーチスと豪華キャスティング。

アンジェラ・ランズベリーのミス・マープルは、一般的なイメージとは違っていて、椅子に座った老婆ではなく、かなり活動的で元気なおばさんという設定。

テレビで放映されるクリスティ原作の映画はポアロものが多い。この作品が、コロナ危機の今、放送された理由が、最後の謎解きでわかった。