アイザック・アシモフ著「黒後家蜘蛛の会3」の感想。

黒後家蜘蛛の会の第3集。これまでの2冊に比べると、ちょっと低調になってきたかな。敢えてよい作品を選ぶと

その翌日
犯行時刻

の2つ。他愛もないトリックだが、そのシンプルさがこのシリーズの真骨頂と言えるだろう。

一方、アシモフの博識振りが目立つエピソードが増えてきた。歴史、天文学、語学など多岐にわたる。重箱をつつくような推理には少々うんざりするが、煙に巻かれているような気持ちになるのもミステリーを読む楽しみのひとつかな。

作家が物知りなのは珍しくないが、アシモフの場合アウトプットされた作品だけでも驚くべき教養が濃縮されている。それを生み出した頭の中はどうなっているのだろうと改めて感心してしまう。