映画「ペリカン文書」(1993)の感想。ジョン・グリシャム原作。

ジョン・グリシャムの同名小説が原作。ジュリア・ロバーツ、デンゼル・ワシントン出演のリーガル・サスペンス。

最高裁判事の二人が殺害されるという事件が発生した。被害者の事務官経験がある大学教授は、ある女子学生と恋人関係にあった。その女子学生が事件について荒唐無稽なレポートを作成し、それがたまたまFBIに渡る。政府高官たちがその内容を知ると、何故か彼女と教授に危険が及ぶようになる。

だいぶ前に、ベストセラーになった原作を読んだことがあり、面白いサスペンス小説だなと思ったことがある。この映画も原作同様によく出来ていて、非常に面白い。

前半は、判事の殺害にからむ巨悪の存在を政権内の秘密主義と対立にからませて、徐々に緊迫感を盛り上げていく。

中盤から、ジュリア・ロバーツとデンゼル・ワシントンのコンビが、事件の核心に迫るにつれ、テンポが上がっていく。敵に狙われる恐さと綱渡り的な躍動感が感じられる展開。社会派サスペンスの王道と言ってもいい。そして一気に解決に持ち込んでしまう。

話はうまく出来すぎているが、作り方がうまい。巨悪の存在を映像として具体的に描くことはないのだが、それでも心理的な効果を狙った組み立て方で、見ていて重苦しい雰囲気にさせてくれる。

よく出来た社会派サスペンス映画。