エラリー・クイーン著「レーン最後の事件」の感想。

ドルリー・レーンを探偵役とする悲劇4部作の最終作。

Zの悲劇と比べると、サムの娘のペーシェンスの活躍は抑え気味で、本格推理ものの流れで最後までいく。バスの乗客の人数や鈴の鳴った回数の推理あたりは、いかにも謎解きものらしネタでいいと思う。変な男の登場で始まる冒頭も、ストーリーにスリラー色を加えていてこれもいい。

結末は、賛否両論あると思うが、悪くはないと思う。最終幕としてはこれくらいの方がいい。ただ、動機がやはり少し弱いと思う。それなりに伏線はあるのだが。Xから読み始めた頃は、レーンという探偵の造形にこんな特徴が要るのかと思ったものだ。事件とは関係ないしと。だが、注意深く読まなければならなかったということだね。