映画「名探偵登場」(1976)の感想。名探偵たちのパロディ映画。

名探偵5人が、大富豪から邸宅で開かれる殺人晩餐会に招待される。名探偵とは、エルキュール・ポアロとミス・マープル、ビガーズのチャーリー・チャン、ハメットのサム・スペードとニック&ノラ・チャールズ夫妻。そこではホストが、邸内で起きる殺人について、名探偵たちに推理を競わせる。彼らは、縦横無尽に、それぞれのお得意の推理を展開するが、その都度横やりが入って真相は二転三転する。ミステリーのパロディ映画だ。

5人の探偵たちの知識を持っていた方がよいが、そうでなくても楽しめる。探偵たちの演技があまりも濃いからだ。ピーター・フォークも熱の入った演技を見せるが、残念ながら刑事コロンボではない。

結末は、あっと言うような裏話を披露して、あざやかに解決する探偵たちへの皮肉をこめたパロディだ。そんな謎解きなど、簡単にひっくり返すことができるよと。

セリフの内容が濃く、一言一言にパロディや笑いが仕込まれているのはなんとなくわかる。ただ、全部理解するのは大変だ。淑女があられのない言葉を吐く解説など、字幕ではできないしね。

さすがに名探偵たちを手玉に取るトリックとストーリーはよくできている。楽しめる映画だ。