映画「老人と海」(1958)の感想。ヘミングウェイ原作。

ヘミングウェイの「老人と海」が原作。

ハバナに住む老人は、メキシコ湾で漁師を営んでいた。不漁が続いたある日、仕掛けた罠に、信じられないくらい大物がかかる。老人は、その獲物と4日間の死闘の末、見事に一人でカジキを釣り上げる。

果たして、こういった自然を真っ正面から相手にした名作を、うまく映像化できるのかと思いながら観てみた。

話の主軸は、老人とカジキの死闘、そしてサメに獲物を奪われるつらさで、少年との交流が少しある。カジキを釣り上げるための、4日間の戦いがハイライト。カメラアングルが限られているところを、主演の演技力で格闘の臨場感を出しているところはうまい。

一方では自然との対峙する老人がいるわけだが、当時の撮影技術で精一杯のところが表現されている。たださすがに、太陽、光、海の厳しさまでは、伝わってこない。照りつける太陽、刺すような光、海の怖さ、皮膚に刻まれたしわとシミなどを、映像で表現するのは、やはり難しいだろう。