古畑任三郎第40話「今、甦る死」の感想。藤原竜也、石坂浩二出演。(ネタバレ)

藤原竜也と石坂浩二がゲスト出演。ファイナルシリーズの第1作。

鬼切村のパン会社社長がクマに襲われて死亡した。甥が社長に昇格したが、レジャーランド開発のために裏山を売却するかどうかで弟と対立していた。弟は、小学生時代に思いついた計画で兄を殺害してしまう。古畑は、村に乗り込み捜査を始める。

脚本が非常によくできている。倒叙式と推理式がうまくミックスされていて、最初から最後までプロットが非常にうまく機能している。前半の倒叙式の部分は、トリックが凝っていて、解決編をつければ通常エピソードとしても成り立つくらい。更に後半の推理編が加わっていて、こちらもなかなかの出来だ。

質のよいエピソード2本を1本にまとめていて、それがうまく組み合わさっているので水準が高い。

刑事コロンボから、「死の方程式」、「もうひとつの鍵」、「殺しの序曲」、「ホリスター将軍のコレクション」、「偶像のレクイエム」などから設定とトリックの引用がある。

また、横溝正史作品へのオマージュも入っている。事件現場の村落は、横溝作品によくある都市部から隔たった独自の地方文化を持つ村。そしてしがらみにしばられた親族の関係。何より金田一耕助が出演して、古畑と対決する場面が実現している。

シリーズの全作品の中でも、とくによくできたエピソード。傑作と言えると思う。