古畑任三郎第42話「古畑中学生」の感想。(ネタバレ)非常によくできた秀作。

中学時代の古畑任三郎が登場する。シリーズ終了後の2008年放送され、ドラマとしては最後の作品になる。田村正和は、冒頭の一人語りのみの出演で、本編には出ていない。

中学生の古畑任三郎は、母の仕事の都合である田舎町に転校してくる。そこで花壇荒らしの事件を解決したことから、探偵事務所を開くことになる。事件の相談が続き、忙しい毎日を過ごすが、ある日村に伝わる埋蔵金伝説の捜査を始めることになる。

本シリーズとは違って、倒叙式ではないふつうの謎解きミステリー。ストーリーも、古畑対犯人が主眼になる通常のものとは異なる。不可思議な状況からの事件発生、犯人捜しをミスリードさせる巧みなプロット、そして最後の種明かしと、謎解きを楽しみながら話が進むような構成になっている。

謎解きを含めて、シャーロック・ホームズのオマージュがいろいろと出てくる。ただの引用だけでなく、もう一歩進めたプロットになっている。

今泉のような笑いをとるキャラは出ない。唯一、石田ゆり子が、古畑の母親役で、かなりケバい化粧で出ているところが目をひくくらい。

田村正和が出ない古畑任三郎であり、色眼鏡で見られるのがつらいところ。だが、ただのスピンオフ的な内容ではなく、推理ものとしての出来は非常によい。これくらいのレベルがあれば、古畑任三郎の名前を使わなくても、2時間ドラマとしては無双状態になるくらいの秀作。