ドラマ「死との約束」の感想。アガサ・クリスティ原作、三谷幸喜脚本。ポアロは野村萬斎。

アガサ・クリスティ原作、三谷幸喜脚本のフジテレビ製作の2時間半ドラマ。原作は「死との約束」。この作品は、「オリエント急行殺人事件」(2015年)、「黒井戸殺し」(2018年)に続くシリーズ第3作目になるそうだが、初めて観た。

原作の「死との約束」は中東が舞台になっているのを昭和30年年代の熊野古道に置き換えている。一族が集まっている中で、資産家のマダムが殺される。偶然、ホテルに滞在していた探偵勝呂武尊が事件の解決にのりだす。

ポアロ役の野村萬斎は、「名探偵ポアロ」のデヴィッド・スーシェを彷彿させる。コミカルで大げさな演技は、三谷幸喜脚本にピッタリだと思う。ただ、その他の出演者は、被害者の松坂慶子が目立つくらいで、テンションを上げた演劇にはなっていない。

三谷ものとして期待して見たが、いつものハチャメチャぶりは抑えめの出来になっている。原作がきっちりとしていて、三谷色を出すのが難しいのだろうと思う。プロットが込み入っているので、ミステリーとしては楽しめる。

この作品は映画化もされていて、タイトルは「死海殺人事件」。1988年製作でピーター・ユスティノフがポアロ役を演じている。

フジテレビ
「死との約束」
2021年3月6日(土)21:00-23:40