1936年製作。ゲイリー・クーパー主演。NHK BSP4Kで視聴。
大富豪の遺産を相続することになった田舎の名士ディーズ。ちょっと風変わりな趣味を持つ彼の周りに、突然、財産目当ての人々が殺到する。フリーの女性新聞記者ベネットは、ゴシップ記事のネタにしようと彼の気を引こうとする。二人は徐々に親密な関係になっていき、ベネットはディーズの優しい心にふれることになる。
ラブストーリーを基本にして、そこに肉づけしてある脚本。主人公は純朴だが芯が一本通っていて、周りに流されずに自分主義を貫くタイプ。そこに当時の競争社会と金儲け主義、マスコミの人権無視の報道姿勢を絡ませる。純粋に自分の生活を大事にして、好きなことをしながら静かに暮らすという、現代にも通じるライフスタイルを主人公に体現させている。
まとめ方もうまく、裁判による法廷闘争により窮地に陥った主人公が、逆転劇で自らの正しさを証明する痛快なクライマックス。そして、女性記者と結ばれてハッピーエンド。
単純なメロドラマに終わらず、重層的な構成で見応えもある作品。これが昭和11年公開とは驚くばかり。そして何よりも、ゲイリー・クーパーの名演を観ることができてうれしい。

