映画「トパーズ」(1969)の感想。ヒッチコック監督のスパイ映画。

1969年公開。ヒッチコック監督によるスパイ映画。

ヒッチコックの比較的新しい作品はほとんど観ているが、この映画だけはなぜか残っていた。それもお気に入りのスパイ映画。「引き裂かれたカーテン」は好きでくり返し観ているので、この映画にも期待しながら鑑賞してみた。

舞台はキューバ危機の時代。その裏で諜報活動を行うフランスの諜報員の活躍が描かれる。当事者でもないフランス人スパイが、アメリカからのたのまれ仕事に命をかけるという設定はどうかと思うし、彼を手引きするキューバの英雄の未亡人の存在も安っぽいサスペンスロマンス感が出てしまっている。

それでも後半のフランス本国での二重スパイ事件にうまくつなげていて、流れとしては緊迫感があって悪くはないと思う。息をのむようなハラハラ感は薄いが、気楽に楽しめるスパイ映画としてよくできている。