NHKBS シリーズ江戸川乱歩短編集IV「怪人二十面相」の感想

江戸川乱歩の短編ドラマの第4弾。今回は「少年探偵団シリーズ」で、第1回は「怪人二十面相」。

ロマノフ王家ゆかりのダイヤモンドを盗み出した怪人二十面相。明智小五郎の留守を任された小林少年が、怪人二十面相のアジトに潜入する。明智小五郎と怪人二十面相のだまし合いの果てに。

このシリーズは、エキセントリックな演出とレトロな雰囲気で、なかなか見応えのある作品が連続してつくられている。だが、今回は少し毛色が違う。突飛な演出と雰囲気は踏襲されているが、やや平板なストーリー。子供向けの話が原作になっているせいもあるが、これまでの作品にあったミステリー的な深みも薄い。それに狂気を感じさせるような登場人物もいないので、映像的な恐ろしさも控えめ。

このシリーズの流れから、70代の白髪俳優が半ズボンをはいて小林少年を演じるくらいのことを期待するようになってしまった。ぞくぞくさせる冒険活劇であることに間違いないが、子供と一緒に観ることができる健全なドラマと言ってよいと思う。

シリーズ江戸川乱歩短編集Ⅳ「怪人二十面相」
NHKBSプレミアム
3月23日(火)19:00-19:30