NHKBS シリーズ江戸川乱歩短編集IV「妖怪博士」の感想

江戸川乱歩の短編ドラマの第4弾の第3回。「妖怪博士」。

謎の老人を追って洋館に忍び込んだ少年は、そのまま「妖怪博士」に囚われてしまう。更に、少年の父親の機密書類も盗まれたため、明智小五郎に捜査を依頼する。そこに探偵と名乗る男が現れ、明智に先んじて事件を解決してしまう。

妖怪博士とライバル探偵という二人の怪しげなキャラクターを登場させることで、見せるストーリーになっている。謎解きとしてはそれほど凝ったものではないが、ライバル探偵の挑発的な行動で、中盤にひと波乱あるところが面白い。

第4シリーズの中では、これが一番よかったと思う。ただ、どれも少年探偵団がもとになっているので、怪奇的な趣味が薄め。乱歩作品が持つ不気味な感じを味わえなかったのは残念。それでも、少年探偵団シリーズとして見れば、力作がそろったと思う。

シリーズ江戸川乱歩短編集Ⅳ「妖怪博士」
NHKBSプレミアム
3月25日(木)19:00-19:30