NHKドラマ「アストリッドとラファエル2 文書係の事件録」第7話「ヘルメス文書」の感想。

毎回質の高い話を楽しませてもらっているが、今回はその中でもまれに見る傑作エピソード。あまりの出来のよさに驚いてしまった。

古文書の競売の最中に競売吏が毒殺され、ポケットからタロットカードが見つかる。アストリッドは写本が偽物であることをすぐに見破る。偽物の線から調査をすると、18年前の発掘調査に関わった学者が競売に来ていたことがわかる。しかし、その学者も殺されてしまう。

古文書と魔術絡みのいつもながらの謎解きかなと思いながら話はスタート。ところが、パズルはギリシャ語から星座へと広がり、難解さを増していく。それに並行して、発掘調査団の争いと裏の人間関係が明らかになる。そして刑務所に収監中のキーマンとアストリッドの対決のクライマックス。意外な殺人の真相が明かされる。とにかく息を呑むような目まぐるしい展開が最後まで続く。

見終わったときの気分は、高速ジェットコースターからフラフラしながら降りてきたような感じだった。これだけ濃縮したストーリーを1時間に詰め込んだ脚本力には脱帽だ。2時間の映画でも、このレベルの作品はなかなか作れないだろう。

テオが活躍して、ラファエルの兄さんの事情にも少し踏み込んだ。そろそろラファエルファミリーの話が始まるかな。

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