映画「アルゲリッチ 私こそ、音楽! 」の感想。天才の私生活のドキュメンタリー。

世界的ピアニストのマルタ・アルゲリッチのミステリアスな生活を、彼女の娘がカメラを向けて製作したドキュメンタリー映画。

家族によるドキュメンタリーなので、芸術家アルゲリッチとピアノという部分はあまり撮られていない。ホームビデオで撮られた天才の私生活といった内容だ。天才の楽屋をのぞいている感じがする。

家族関係はかなり複雑だが、そこはソフトに扱われていて、ちょっと変わったお母さんという描き方だ。気まぐれだし、周りが扱いに困っているところも随所に出てくる。彼女自身がシューマンについて語るシーンもあるが、どんな言葉で語るよりもピアノで表現してのピアニストとなるのは当然だろう。

日本訪問時の新幹線内で、箸を使って弁当を食べるシーンは印象的。

家庭でのアルゲリッチを見ることができる貴重な映像だと思う。