清原達郎著「わが投資術 市場は誰に微笑むか」の感想。

著者は、しばらく前にサラリーマンで長者番付1位になり話題になった人。野村證券からファンドマネジャーという華麗なる経歴で、当時百数十億円くらいの収入だったと記憶している。

引退を機に書いたという本書はかなり中身が濃い。野村證券時代の経験、ファンドの運用、投資手法など。ここまで書いてもいいのかという話もあるし、投資に関するかなり難しい話も混じっている。

顧客を蔑ろにする野村のやり方に疑問を持って、自らファンドを立ち上げるまでの苦労話は読み物としても面白い。肝心の投資手法は、注目されていない小型株を徹底的に調査して買うというスタイル。ちょっと素人には真似ができないくらいに調べ上げる。他人の資金を預かって運用する立場では、これくらいするのが当たり前かもしれない。読んで内容を理解するのも大変なくらいなので、さすがにプロ中のプロのやり方だと思う。

それでも公開しているファンドの実績を見ると、常に勝ち続けているわけではない。この実績を見るだけでも、投資の世界の厳しさがわかる。著者はガンで声帯を失ってしまっている。自己資産まで投入するくらい追い込まれたときもあったようだし、体にも相当のストレスがかかったのだろう。

投資をするなら読んでおく価値がある本だと思う。