福島香織著「習近平の敗北」書評感想

習近平政権が直面する危機についてまとめた本。

著者はジャーナリストで中国ウォッチャー。豊富な取材量に基づいた記事を発信続けている。実地の取材をもとにしているので、評論家的な概観論ではなく、ニュースのネタ主義で書かれている。

現政権が抱える問題を、経済、政変、人民の動乱、宗教民族、台湾香港、軍事、人口高齢化食糧原発、米中衝突など項目別に説明。

中国関係のニュースは、対外的なものを中心に断片的に報道されているが、まとめて示されるとあまりにも多岐にわたっていて驚く。まるで複合パズルのようだ。これだけの問題を抱えての舵取りは並大抵のことではない。根本的なところは、自由化と体制維持がいろんな分野で対立してしまうこと。頭が痛い問題だ。