中川浩一著「中東危機がわかれば世界がわかる」の感想。

中東はイスラム圏という一言でまとめられることがあるが、実際は複雑過ぎて状況を理解するのが難しい。プレイヤーが多すぎてそれぞれの立場をとるため、ひと括りにするには無理があるからだ。本書では、主要国と現在の紛争地域にポイントを絞って現況の解説している。

主要国と言えば、イスラエル、サウジアラビア、イランあたりになるだろうし、紛争が起きているはパレスチナ、イエメンだ。本書のよいところは、地域の長い歴史を徒に振り返ることなく、現在の立ち位置を簡潔に説明してあるところ。今、こういった国々が、どういった思惑で、どのように動いているのか。それがわかりやすくまとめてあって、ニュースの裏にある真の中東の姿が浮き彫りになっている。

著者の本を何冊か読んでみたが、どれもわかりやすい。中東を知るにはおすすめ。