
最近のニュースでは、右傾化するヨーロッパという言葉をよく耳にする。単発的に取り上げられるので、かなり右寄りの政党が政権の担うのではと思ってしまう。本書では、その背景を主要7カ国についてわかりやすくまとめてある。対象は、独、仏、伊、ハンガリー、オランダ、ポーランド、イスラエル。どの国も、保守系の政党が政権に関与しているところだ。
全体的には、確かに過激なことを言う政党もあるが、右翼と言うにはちょっとマイルド過ぎるようなところも多く、まして極右とはほど遠い印象だ。イスラエルには、一部に過激な人たちがいるが、それ以外は割と常識的なことを言っているなという感じがする。日本と違ってヨーロッパでは、大量の難民移民の流入があるわけで、それに反発する人が多いことを先ず理解しなければならない。
イタリアのメローニ首相が誕生したときに、ムッソリーニの写真と並べて紹介したのを見て、ちょっとミスリードしているなと思ったものだ。その後のイタリアの外交を見ていると、彼女がどれほどの常識人かということがわかる。
考えてみれば極右というのは便利な言葉だ。意図的なレッテル貼りのために使うことで、保守政党にマイナスの印象を与えることができる。一方、極左という言葉はマスコミではほとんど聞くことがない。極右、極左の使われた回数をカウントすれば、その媒体の政治的立場がある程度わかってしまうのではと思ってしまう。
しっかりした現状の知識を得るうえで、非常に参考になる本だと思う。おすすめ。

