小林秀雄著「読書について」の感想。

読書や書くこと、批評などについてエッセイ集。「考えるヒント」などに比べるとだいぶ読みやすいが、それでもページをめくるスピードはあがらない。

読書については、濫読や全集を読むことをすすめている。もちろん、濫読はビジネス書を速読するようなものではないし、全集は重量級の古典書だろう。プロの写真家は何枚撮るというのではなく、フィルムの目方で量をはかるそうだ。読書もそれと同じことなのだろう。

書くことについては、大先生が自らも難しいと言っていて、これといった方法はないということか。もちろん、並のレベルの話ではないが。

スキーツアーの体験記「カヤの平」が面白い。大先生の奮闘記で、柔らかく書いてはいるが、やはりいつもの大先生の色が出ている。菊池寛に講演のアドバイスを受けた話もあり、大先生でも受けを少しは気にしていたのかと思うとほっとする。