NHKドラマ「阿修羅のごとくパートII」(1980)の感想。向田邦子脚本。

阿修羅のごとくのパート2。今回は4回シリーズで、タイトルは「花いくさ」、「裏鬼門」、「じゃらん」、「お多福」。

修羅のホームドラマがヒートアップした次の展開を見せる。八千草薫演じる二女を中心に話しが進む。父親の浮気問題は少しトーンダウン。その代わりに、4姉妹の抱える問題が一層激しくなる。

冷静に見れば、本当の苦境に陥っているのは、夫が再起不能となった四女くらい。長女は不倫を続行、二女の夫への疑惑は勘違い、三女は四女への嫉み、父親は穏やかに暮らす方向に向かっている。どれも大したことはない。

だが、時折見せる姉妹たちの他愛ない日常のやりとりの下に、修羅の感情が渦巻いている。

今回も男たちは、女性関係で見せるしょうもない面ばかりが出てくる。

コップの中の嵐が、家庭崩壊までつながるかもしれない怖さ。おそろしいドラマだ。

NHKBSプレミアム
阿修羅のごとくパートII(全4回)
2022年12月10日(土) 19:30-24:07
(初回放送1980年1月19、26、2月2、9日)