NHKドラマ「阿修羅のごとく」(1979)の感想。向田邦子脚本の名作。

向田邦子脚本のNHKドラマ。土曜ドラマ枠で1979年に放送され、後にパート2も製作された。

家庭は血縁のメンバーで構成される日々の生活の場。しかし、その元になっているのは、男女関係である夫婦。そんな平和な日常に、男女関係がもとで突然波風が立つ。時には、大変な騒動に発展して、普段は見せることのない内面の恐ろしい顔が現れる。

主人公である家族は、両親と4姉妹が、いずれも男女関係に問題を抱えていて、次から次に事件が勃発する。一触即発で修羅場と化すかもしれない危険をはらんでいて、そこがドラマとして面白い。

父親の不貞について、4姉妹の立場が少しずつ違うところも興味深い。各回のタイトルのつけ方もいい。「女正月」、「三度豆」、「虞美人草」と凝っているね。

このドラマの主役は女性たち。男たちは、家庭内での立場からと男女関係の相手側として描かれるのみ。外で仕事をして家庭を支えるという見方はほぼなく、ただの舞台装置にすぎない扱いだ。

日常生活の怖い話。当事者にはなりたくない。

NHKBSプレミアム
阿修羅のごとく(全3回)
2022年11月19日(土) 19:30-22:50
(初回放送1979年1月13、20、27)