映画「見知らぬ乗客」(1951)の感想。ヒッチコック監督作品。

ヒッチコック監督の心理サスペンス劇。

アマチュアテニス選手の主人公ガイは、帰路の電車の中で不思議な青年ブルーノと出会う。彼は、ガイが妻と不仲で上院議員令嬢と結婚したがっているのを知っていて、自分の父との交換殺人を持ちかけてくる。ガイは話を取り合わなかったが、ブルーノは独断でガイの妻を殺してしまう。ガイは容疑者として警察に尾行を受け、ブルーノには父の殺人の実行を迫られる。

ストーリーとしてはヒッチコック的な心理サスペンス。冷静に見れば必然性のない話だが、テンポがよいせいか、不安定さを感じながらも引き込まれるように進んでいく。怖いという気持ちのまま最後まで引っぱられる。

ブルーノ役のロバート・ウォーカーのサイコパス的な演技が見どころになる。不気味な表情で主人公にまとわりつき、薄ら寒い気分を醸し出すにはピッタリの配役だ。

最後も、こじつけのようなプロットだが、いつの間にか大げさな事故が起きて、すべてが明るみに出て解決となる。

目まぐるしいストーリーを絡めた心理サスペンス。怖い映画だ。