映画「シンドラーのリスト」(1993)の感想。スピルバーグ作品。

スティーヴン・スピルバーグ監督による1993年のアメリカ映画。

第二次世界大戦中、ナチスドイツが占領するポーランドでは、ユダヤ人への迫害が行われていた。ナチス党員でもあるドイツ人実業家のオスカー・シンドラーは、戦争を利用して一儲けしようと企み、SSの将校たちに取り入って、ユダヤ人を安価な労働力として雇い入れ、事業を拡大していた。しかし、所長たちののユダヤ人の扱いがあまりにも冷酷であったため、シンドラーの心境に変化が生じるようになる。

ヒトラーも出てこないし、ナチス幹部たちの姿もない。独ソ戦やノルマンディー上陸作戦も関係ない。ドイツ占領地内の出先での話だ。どこでも日常的に行われていた弾圧、迫害の映像の恐ろしさは、目を覆うばかりだ。人権などというものは端からないし、命の軽さなどと主張する以前の、筆舌に尽くしがたいほどの惨状が描かれる。

シンドラーは、根っからの善人としてではなく、山師として登場する。それでも、ナチスが行うあまりの蛮行に心が動く。心の葛藤もいくつかの場面で描かれるが、全体的な暗さの影響で、光明がさすというほど劇的なものにはなっていない。

白黒の映像にすることで、リアルさが高まり、ノンフィクションドキュメンタリーではないかと思えるくらい強烈な印象を受ける。

ユダヤ人迫害を正面から扱った作品。テーマが重すぎて、見終わってから暗い気持ちになる。