映画「相棒-劇場版IV-首都クライシス」(2017)の感想。あらすじなど。

水谷豊主演の「相棒」が長年にわたって人気シリーズなのは知っていたが、今までに観たことはなかった。ちょうどテレビで映画の放送があったので視聴してみた。

劇場版の第4作。7年前にイギリスの日本領事館で集団毒殺事件が起こり、生き残りだった少女が行方不明になった。7年後、その少女の身代金要求が日本政府に突きつけられた。政府は支払いを拒否したが、その後、パレードに集まった見物客をターゲットとした大量テロが予想される事態となった。

脚本のテンポがよく、飽きさせない仕掛けがうまい。謎解きは階層的になっていて、それぞれに怪しい人物を配置して、ミステリーとしての面白さも備えている。

普通のミステリーのように最後に一気に謎解きをするのではなく、少しずつ謎を掘り下げていって、真相を徐々に明かしていく。謎解きで視聴者を迷子にさせないし、ずっと意識をストーリーに惹きつけておいて離さない。ここが一番うまいところ。

今の刑事もので流行りの所轄対本庁という構図をいれて、頭のかたい上層部でまわりを固める。ワトソン役をはじめ、個性的なキャラクターを周辺にそろえる。

主役の右京は、コロンボ的に観察力鋭い切れものだが、誰からも尊敬される完璧な名探偵ではない。世間的には冷や飯を食わされているという立場にすることで、バランスを取っている。

確かに作り方が非常にうまい。魅力のある人気シリーズになっているのがよくわかる。視聴者を楽しませるという点では、昔の刑事ドラマに比べて、明らかにレベルが上がっていると思う。