映画「社葬」(1989)の感想。緒形拳主演。バブル時代の社内抗争劇。

1989年公開。新聞社の派閥争いをテーマにした映画。

やはり時代を感じてしまう作品だ。バブル絶頂期につくられただけあって、不況の影はどこにも見えない。経営は盤石なので、売り上げがどうの株価がどうのといった話はまったく出てこない。安定経営のもとに繰り広げられる社内抗争の話だ。

主人公が一匹狼で、不本意な派閥争いに巻き込まれるという設定。主人公視点で無意味な派閥争いが描かれる。それほどシリアス系ではなく、見方によってはコミカルなドタバタ劇にもとれる。

主人公が女将と浮気したり、抗争の最中にスキーに行ったりと、緊張感のない場面も多く、やはりバブルだなと感じてしまう。当時は、これが企業戦士の典型だったのだろう。後の時代のシリアス系企業ものと比べると、どうしてもお気楽ドラマに見えてしまう作品だ。