映画「容疑者Xの献身」(2008)の感想。ガリレオの映画版。かなりの良作。

東野圭吾原作、福山雅治主演。テレビの「ガリレオ」の劇場版第1弾。

顔をつぶされた惨殺死体が発見される。捜査を進めていくが、男の元妻にはしっかりとしたアリバイがあった。そして隣の部屋には、湯川の友人であった石神が住んでいた。石神は数学者としての将来を嘱望されていたが、今は高校の数学教師をしていた。湯川は石神と接触するうちに、彼が事件の裏にいるのではと思うようになる。

キーマンとなる石神を登場させたことで、ストーリーが重層的になって深みがでている。トリック自体もよく考えられていて、天才的な頭脳の持ち主が仕掛けたトリックという設定なので、物語との連動もうまくいっている。そして、タイトルにあるような身代わり犯の心情的な部分も描かれていて、単なるミステリーでは終わっていないところもよい。

ただの2時間ドラマの映画版に比べると、格段にレベルが上がった作品。原作がよいせいもあるのだろうが、魅せる映画にするための工夫がいくつも凝らされている良作。