映画「みんなのいえ」(2001)の感想。三谷幸喜脚本、監督。

三谷幸喜脚本、監督によるホームコメディ。自宅を建てたときの監督の実体験をもとにしている。伊丹十三監督の「お葬式」のように、慣れない作法に戸惑う登場人物たちの様子が描かれる。

昔かたぎの棟梁田中邦衛と現代的なデザイナー唐沢寿明の対立を中心にストーリーは進んでいく。三谷作品にしては思ったよりもハチャメチャ度が低い感じがする。対立しながらも、徐々に互いの腕を認めあって心が通じるようになる二人の姿は、心温まるホームドラマのようなつくりだ。

一方、断片的ではあるがサブの物語として、施主の脚本家田中直樹の姿も同時に描かれる。家づくりで翻弄されるだけでなく、仕事でもテレビ局に脚本がズタズタにされるというつらい立場にある。仕事というものは結局こういう綱渡りのようなものだよという声が聞こえてきそうだ。

マイホームの新築の苦労をドタバタ劇にして、笑わせてくれる作品。