SF界の巨匠の自伝。幼少期から最近までの出来事が時系列で網羅されている。とくに子供時代の出来事は詳しく、記憶力のよさには驚くばかりだ。知能指数のエピソードがたびたび出てくるが、さすがに優秀な人は老年になったもこうなんだと改めて感心してしまう。
著者が世に出る頃は日本のSF界の創世記と重なっていて、当時の様子を知るための貴重な資料でもある。幅広い交友関係と次々と生み出される著作との関係なども知れて興味深い。忙しい毎日の合間をぬって、著作以外にはいろんな活動をしているのがわかる。
ただ、幼少期の詳しさに比べると、成年期以降については駆け足の記録といった感じを受ける。ページ数が限られているせいもあるだろう。既に「腹立半分日記」、「日日不穏」をはじめてする日記が出版されているので、そちらを参照したほうがよいし、何よりも笑える。

