映画「騙し絵の牙」(2021)の感想。大泉洋主演。

塩田武士原作、大泉洋主演の出版業界を題材にした作品。

業界全体の沈滞ムードの中で奮闘する編集長の活躍に出版社の派閥争いが絡み、てんやわんやの物語。タイトルから騙し騙されのトリッキーな話かと思って観たが、騙しのインパクトは少なめだし、大どんでん返しもなかった。

大泉洋が演じるのは、転職してきた型破りな編集長。あれやこれやのアイディアで、部数を増やそうとして奮闘する。それでも大泉洋のキャラを考えれば、もう少し破天荒な活躍があってもよかったかもしれない。

そこに松岡茉優の熱血若手編集員の物語も重なる。頑張り屋の彼女の熱い物語でもある。

雲隠れしていた伝説の流行作家登場という設定はうまいと思うが、ここも少しインパクトに欠ける。

全体的には面白い作品だと思うが、いまいちメリハリに欠けてふつうに見れてしまう映画だ。