映画「タワーリング・インフェルノ」(1979)の感想。パニック映画の名作。

70年代の超大作パニック映画。スティーブ・マックイーン、ポール・ニューマン出演で、その他も豪華キャスト勢揃い。

138階建ての超高層ビルの落成式当日に電気系統の故障で火災が発生する。ビルの中では落成パーティーが開催されており、多数の招待客が取り残される。消防隊が決死の救出作戦を展開する。

捨て身で頑張るヒーローが2人登場する。消防隊長のスティーブ・マックイーンと設計者のポール・ニューマン。この2人は職務に殉じるくらいの心構えで、困難に立ち向かう。一方で、オーナー家族の虚飾にまみれた、嘘と不誠実さが対比される。ヒーローと悪者の典型的な組み合わせ。

救出劇の最中に、招待客たちの人間物語が進行する。詐欺師と富豪夫人やオーナー家族の不和などの人間模様も出てくるが、描かれ方がやや弱い。何かありそうなロバート・ヴォーンも、何もなく終わってしまった。

とにかく迫力重視のスリリングな映像が次々に映し出される。古いパニック映画なので、今からみるとつくられたストーリー感もある。あまりにもヒーロー礼賛の筋立てであったり、見た目重視の現実感がない火災の延焼の過程。ロールプレイングゲームのように、都合よく降りかかる困難など。

それでも、一切をはねのけるくらいの緊迫感と迫力がある。一言で言うと、面白くて引き込まれるパニック映画。