映画「ピンク・パンサー」(1963)の感想。ピーター・セラーズ出演シリーズ第1弾。

ピーター・セラーズのピンク・パンサーシリーズ第1弾。

本作では、ピーター・セラーズ演じるクルーゾー警部は主役でなく、怪盗ファントム役のデヴィッド・ニーヴンが主人公。

今のコメディに比べれば、ハチャメチャ度はかなり低めだ。宝石盗難事件のロマンスミステリーが主体で、そこにクスクス笑いを盛り込むスタイル。美男美女が共演するストーリーに、クルーゾー警部が場違い的に登場させるだけでも笑いを誘う。その妻が超美人で、ふたりがホテルの一室で過ごす場面に時間を割いているが、エロチックなシーンはほとんどない。今の基準ではかなり上品な笑いだが、当時はもっと過激に感じられたのだろう。

笑いをたしなむといったスタンスで観れば、パンチの効いたコメディだ。そういう時代の喜劇映画。

ピーター・セラーズのピンクパンサーはテレビの放送もほとんどないし、DVDも手に入れにくくなっている。時代の流れに埋もれてしまうには惜しいコメディ作品だ。